先月号の図1の場合で、敷地に工場と事務所が建てられていて、その土地に寮を増築することは、「可分」と見なされ、一敷地一建物の原則に反するため、増築することはできません(先月号に詳しく記載しています)。ただし、敷地を分割や分筆して、別の敷地とすることができれば、新築することができます。
「分筆」とは、登記上、二つの土地に分けることですが、「分割」は、設計者が任意のラインで敷地を分割したと仮定し、その土地に建物を新築する手法です。既に建物が建っている土地を分割する場合は、「敷地境界線変更届」が必要となります。これは、土地を分割することによって、既存の建物が建築基準法上、違反とならないことを確認するためで、京都府や京都市の「建築基準法施行細則」によって、ルールが定められています。
下の表は、京都市の敷地境界線変更届のチェックシートです。例えば、敷地が縮小することで、既存の建物の建蔽率や容積率がオーバーしてはいけないということです。また、分割されてできた新たな敷地が道路に2m以上接道していなければ、新築することはできません。なお、この届出をできるのは、建築士か行政書士に限られています。