建築基準法では、一つの敷地に一つの建物を建てることが原則となっています。従って、一つの敷地に二つの戸建て住宅を建てることはできません(建築確認申請が通りません)。ただし、「用途上不可分の関係にある二以上の建築物」を建てることは可能です。
例えば、図1のように、工場が主たる用途で、そこの従業員の方の休憩室や更衣室、事務関係の執務を行う事務所を建てることはできます。これが「用途上不可分の関係」になります。しかし、従業員のための寮であっても、工場や事務所と機能上の関連を持たないため、可分と判断され、点線の位置で敷地を分割するなどにより、それぞれに確認申請が必要になります。
また、図2の工場と倉庫の場合、工場で使用する材料や工場で製作された製品を置くための倉庫は不可分と判断され、2つの建築物を建てることができます。しかし、貸倉庫は工場と機能上の関連を持たないため、可分と判断され、点線の位置で敷地を分割する必要があります。
この「敷地分割」については次号で取り上げることとしています。