前回と前々回で取り上げた京都市や京都府の事例を見てわかる通り、京都の基本的な考え方は、市街化調整区域の本来の目的である市街化を抑制すべき地域として存続させることに重きを置いています。一方、線引き以前に集落であった地域における建築制限が課題となっている面もあります。今回取り上げる兵庫県加西市は、この課題が深刻であり、線引きを撤廃した事例です。
加西市は、市域のうち約75%が市街化調整区域で人口の約65%が市街化調整区域に居住するという特殊な環境にありました。線引きは兵庫県によるものであり、地方分権の流れから、市が独自の都市計画により、この線引きを2026年4月に廃止し、都市計画法に基づく特定用途制限地域を設定し、下の表のような10の区分による建築制限に変更しました。
市街化調整区域における建築制限は厳しく、地方都市における人口減少や企業立地の促進といった課題に対応することが困難な状況を打開する方策として、今後、広がっていくことが考えられます。