工場が建てられている敷地にまだ余裕があり、別棟で倉庫を建てたいという相談はよくあります。そこでいつも問題となるのが、その工場が確認申請通りに建てられているという完了検査を受け、検査済証の交付を受けているかどうかです。
建築基準法では同一敷地内のすべての建物が適法でないと別棟であっても増築することはできません。検査済証の交付を受けていない建物は適法とはみなされませんので、確認申請書や施工記録、現地調査等を行い、適法であることを証明する、あるいは適法となるように改修する必要があります。しかしながら、国土交通省のデータによれば平成10年(1998年)時点でも検査済証の交付率は38%にすぎません。別棟増築はしたいが、既存建物の改修費用が高額になるため、断念するというケースは多くあります。
検査済証のない建物の適法性を証明する手段として、建築基準法12条5項が用いられています。ある指定確認検査機関に相談に行った際、特定行政庁に適法である報告を行ってからでないと、増築部分の確認申請は受け付けられないと言われました。
別棟増築を計画する際には、既存建物の適法性について、事前に確認しておくことが重要になります。また、検査済証があっても、増改築している場合は、その部分も含めた適法性が求められます。次回は、具体的にどのような報告が必要かについて確認したいと思います。